光機能化技術は、これまでのインプラント表面改質法と比較して、効果、応用性、そして学術・科学的背景に関して、大きく異なる特徴を有しています。
①骨結合(オッセオインテグレーション)能力の比類ない向上
効果初期の骨結合強度が3倍となることや骨芽細胞の接着量が3-5倍になるといったことに代表される光機能化の生物学的効果は、過去の報告や、これまで導入された表面改質技術にまったく例を見ず、圧倒的なものであります。
②応用の普遍性
インプラントメーカーが行ってきた表面改質技術とは異なり、この光機能化技術は、これまでテストした全てのチタン製インプラント表面に効果があることが示されています。また応用の妥当性は、科学原理的にも明らかであります。このことにより、現存するほぼすべてのインプラントへの応用を可能にし、ドクターは現在の使用システムを変更することなく、光機能化を導入することができ、また使用しているブランドから異なるサーフェスが発売されたとしても、それがチタンである限り、光機能化の恩恵を受け続けることができます。そして、何より、この普遍性の特徴により、光機能化技術は、世界のほぼすべての患者へと貢献できる道を開いたのです。
③高いレベルでの科学性
光機能化技術に関する最初の科学論文は生体材料科学で最も権威ある科学雑誌である「Biomaterials」へ2009年に発表されました。この雑誌のインパクトファクターは7.3であり(通常のインプラント雑誌や歯科の雑誌のインパクトファクターは1-2)、論文の価値とその貢献度の大きさを知ることができます。
④高い学術性、次世代教育への世界的影響
現存のインプラント表面に関して、あるいは表面改質技術に関して、大学などの公の教育機関や教科書で、あるサーフェスはあるサーフェスを優れているとか、ある会社から出ているサーフェスは別の会社のサーフェスより優れているなどと、教えられたことはあるでしょうか。我々の知る限りこのような歴史はなく、それは現存しているインプラントサーフェスは、ブランド間に特別な能力の差がないことを示唆してます。
以上示した光機能化の概要ならびに特徴から、この技術によりインプラント治療は新たな時代に入ったことをご理解いただけると思います。本研究会では、臨床家の技術力と情熱、知恵を結集し、研究者のアイディアと融合させ、光機能化技術を用いて、インプラント臨床はもとより、歯科医療そのものを革新させ、その情報を世界へと発信し、日本が世界のオピニオンリーダーとして活躍することを目指すとともに、多くの患者さんへ学術的知見を目に見える形、体感できる形で還元していくことをミッションとして掲げています。